お洗濯のテスト (1)  汚れ落ちの傾向

 

■手順■




1、40度のぬるま湯を使い、製品の表示通りの濃度で洗濯液1Lを作り、容器に入れる。

2、汚れを付けた生地を容器に入れ、30分静置してなじませる。
  そのあと縦横それぞれ20回ずつ5分間振る。

3、一度取り出し脱水機にかけた後、水道水1Lを入れて同じように3分間振る。

4、脱水し、戸外で天日干し、自然乾燥させる。
 
 
 
 

 

テストする汚れ

 

■3種類の生地を使います。

 
 ・汚れを塗布し、24時間乾燥させた生地
   (綿100%とポリエステル100%の2種の生地)
   (綿生地はしっかりした厚み、ポリエステル生地は薄めです)
 ・合成洗剤で洗濯を繰り返した生地(黒い生地、洗剤の香料付き)
 
 

■塗布する汚れは、以下のものです。


 A:お醤油
 B:ケチャップ
 C:墨汁
 D:血液 
 E:レトルトカレー
 F:ファンデーション・口紅
 G:赤ワイン
 H:キャットフード
 I:泥水(畑の土)
 



 
通常のお洗濯ではなかなか落ちないこれらの汚れを、下洗い・もみ洗いなしで洗います。
今回使った洗濯液は、水道水(5℃)・ぬるま湯(40℃)・純水(40℃)・合成洗剤2種(40℃)・液体石けん(40℃)です。

この手順では、実際の洗濯のおける汚れ落ちの効果とは差があると思いますが、まずは汚れ落ちにどのような違いと傾向があるのか、確認してみたいと思います。

 



 

 

結果を見てみましょう

 

■ 水道水  (5℃)

まずは蛇口から出したそのままの水道水です。


 

 
・洗濯液…pH6,7
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…薄くなりましたが、ほぼ変わらず。20点。
・H:キャットフードのにおい…あまり取れていません。10点。

水道水のみでも汚れがここまで落ちていることに、まず驚きました。

(以下、画像では分かりづらい点)

E:レトルトカレーの汚れは、綿生地では色素が強く残っていますが、ポリエステル生地では色素に加え油ジミが目立ちます。
H:キャットフードの汚れは、色素・においに加え、油ジミが残っています。


 

■ ぬるま湯(40℃)

温かい水道水を使いました。


 
 

・洗濯液…pH6,9
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…薄くなりましたが、ほぼ変わらずです。20点。
・H:キャットフードのにおい…あまり取れていません。30点。
 

(先ほどの冷たい水道水と比較してみます。)

・綿生地…全体的に色素の汚れ落ちが良いです。(特にG:赤ワイン・H:キャットフード)

・ポリエステル生地…E:レトルトカレーの汚れは色素が薄くなりました(油ジミは変わらず)。H:キャットフードの汚れは油ジミがより取れています。





■ 純水  (40℃)

工業的に洗浄に用いられる純水を温めて使いました。



・洗濯液…pH5,4
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…刺激のあるにおいの部分が少しだけ薄れ、においが変わりました。30点。
・H:キャットフードのにおい…残っています(ぬるま湯よりも残っている)。20点。
 

 (上記 ぬるま湯と比較してみます)

・綿生地…水性ペンの色が少し青くなりました。G:赤ワインの色素はより薄いです。

・ポリエステル生地…全体的に色素が薄くなったように見えます。H:キャットフードの油ジミは薄くなったように見えます。


 

■ 合成洗剤 (アタックNEO 抗菌EX Wパワー)

※ NANOXと書いてありますが間違いです…!

 
 
・洗濯液…pH6,9 (成分表示…弱酸性)
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…洗剤のにおいにより判別不能
・H:キャットフードのにおい…洗剤のにおいと混ざっていますが残っている様子です。40点。


 (上記 ぬるま湯と比較してみます)

・綿生地…水性ペンが青くなりました。シャチハタのインクが薄いです。全体的に色素が薄くなり、特にF:ファンデーションがかなり取れています。

・ポリエステル生地…F:墨汁・G:赤ワイン・I:泥水において、色素が明らかに薄いです。E:カレーの油ジミ・H:キャットフードの油ジミは若干薄くなった気がする程度。

 

■ 合成洗剤 (ヤシノミ洗たく洗剤)


 
 
・洗濯液…pH7,2 (成分表示…弱アルカリ性)
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…刺激のきつい部分はかなり取れました。まだ残ってます。50点。
・H:キャットフードのにおい…かなり取れました。50点。



 (上記 アタックネオと比較してみます)

・綿生地…同じように水性ペンが青くなりました。色素の取れ方は、全体的に少ないです。特にE:カレーの色素が濃く残って見えます。

・ポリエステル生地…同じように水性ペンが青くなりました。他は大きな違いはほとんどありません。F:ファンデーションが若干濃い・G:赤ワインが若干薄い…ように見えますが、汚れの付け方の程度の違いくらいなのではないかと思います。

  
■メモ■

今回のテストの中で、綿生地の水性ペンの色が青く変化した(青い色素以外が取れた?)のは、アタックネオとヤシノミ洗剤の二つの合成洗剤だけでした。
石けんは青い色素も含めて取れているようです。


 

■ 液体せっけん


 

・洗濯液…pH7,8 (成分表示…弱アルカリ性)
・合成洗剤で洗濯した生地のにおい…少々残る程度にまで減少しました。80点。
・キャットフードのにおい…少々残ってます。70点。

・油性ペンの文字が明らかに薄くなりました。シャチハタのインクがほぼ消えています。


 (上記 アタックネオと比較してみます)

・綿生地…水性ペンは青くならず、かなり薄くなりました。シャチハタのインクは消えています。全体的に色素が薄く見え、特にD:血液汚れが薄くなっていると感じます。
?
・ポリエステル生地…全体的に色素が薄く見え、特にD:血液汚れが薄くなっていると感じます。E:カレーの油ジミが薄くなりました。I:泥水については綿生地においても、アタックネオの方が落ちているように見えます。


 
■メモ■
全体的に汚れ落ちが一番いいと感じました。 ただし、石けんの洗濯液を作る段階で標準使用量で泡立たなかったため、さらに石けんを足して作っており、この点は考慮に入れておかなければと思います。




 

結果の一覧です 




■綿生地■


 


■ポリエステル生地■






 

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